白癬菌感染 ~ 水虫・いんきんたむし・ぜにたむし ~

水虫にならないために

水虫菌は正式には白癬菌と言います。同じ白癬菌でも感染する体の部位によって呼び名が変わり、手や足に感染すると水虫、陰部は“いんきんたむし”、体は“ぜにたむし”、頭は“しらくも”と呼び名を変えます。日本の夏は高温多湿で白癬菌にとっては天国です。

足の水虫が多いことは知られていますが、肌が色々な物に接触する機会の多い夏は体のあらゆる部分が感染の危険にさらされます。白癬菌はいろいろな場所に存在しますが、感染経路で多いのは、プールや入浴施設など多くの方が利用する施設の足ふきマットやスリッパ、脱衣所の床や体重計、居酒屋の畳などです。また、浴室のイスや様式便座などから感染し、“いんきんたむし”になってしまう場合もあります。“いんきんたむし”と言えば男性のイメージですが最近ではストッキングによる蒸れが原因で女性の感染も増加傾向にあると言われています。

乾燥した皮膚に菌が付いただけではすぐに落ちてしまいますが、付いたまま時間が経つと角質層に入り込み増殖します。しかし、角質層に入り込むまでには24時間程かかると言われていますので、菌がついてから24時間以内に洗い流せば感染は防げるのです。1日1回は入浴し、体の隅々まであらいましょう。ただし、角質層が傷ついていると24時間よりもっと早く感染してしまいますので、皮膚を傷つけないように、石鹸を十分に泡立ててやさしく丁寧に洗うようにしましょう。抗菌成分が入っている石鹸を使うとより効果的です。足の指の間も忘れずに。

また高温多湿な環境をつくらないことも重要ですので、通気性の良い履き物を履き、履き物の中も乾燥させるよう心がけてください。陰部への感染を防ぐために通気性の良い下着を選び、女性はストッキングを履く時間を短くすることも効果的です。もし感染してしまった場合は家族に移さないよう配慮することも大切です。
お互いに家の中では靴下を履く、足ふきマットやタオル、スリッパなど皆の肌に触れるものはこまめに洗濯をするようにするだけで感染は随分減ります。洗濯すれば菌は落ちるので他の物と混ぜて洗濯しても問題はありません。

感染してしまったら

白癬菌に感染してしまったら、薬で根気良く治療をするしかありません。ジュクジュクがひどい場合や症状が広範囲の場合、また爪が白っぽく厚くなる爪白癬になってしまった場合は医師の治療が必要ですので皮膚科を受診しましょう。

特に女性は恥ずかしくてなかなか病院に行けない方が多いようですが、しっかり治さないと他の部位に感染が移ってしまうこともありますので早めに手当てをしたいものです。自分で手当てする場合は塗り薬が中心となります。最近は医療用と同じ成分の薬も市販されていますので自己手当でも完治するケースが増えています。市販の塗り薬には軟膏、クリーム、ジェル、ローション、パウダーと様々なタイプがあります。効果にほとんど差はありませんが使用感や肌への刺激には違いがありますので症状やお好みで選ぶと良いでしょう。

軟膏タイプ
肌への刺激が最も少ないのでデリケートな部位にも使いやすい。保湿性に優れ、肌にしっかり付くのでひび割れがある場合におすすめ。

クリームタイプ・ジェルタイプ
最も人気があるタイプ。軟膏に比べ刺激は少しあるが、伸びがよく使いやすい。塗った後もサラッとしているので薬が靴下等につきにくい。

ローションタイプ・パウダータイプ・スプレータイプ
患部に触らずに、広範囲にもすばやく塗ることができる。アルコールを含むものが多いため、しみることがあり、デリケートな部位には適さない。しみる場合はかぶれやすいので中止すること。パウダータイプはジュクジュクしている場合におすすめ。

薬を塗っていれば1~2週間で症状は治まってきますが白癬菌はまだまだ消えていません。この時点で薬を止めてしまうと角質層に潜んでいた白癬菌が勢いを増してぶり返してしまいます。菌を完全にやっつけてしまうには症状がなくなってからも最低2ヶ月間は薬を続けましょう。

また感染は見えない部分にまで広がっていることが多いため、薬を塗る際には症状や病変がある範囲よりもかなり広めに塗ってください。例えば指の間だけ症状が出ていても足裏と足の甲全体にまで塗るイメージです。ゴシゴシと擦りこむ必要はありませんのでやさしく塗り広げてください。入浴直後に薬を塗ると角質が柔らかいので薬が奥まで浸透し効果的です。

角質を柔らかくする効果のある“尿素”や“サリチル酸”が配合されている水虫薬もあります。ステロイドは感染を悪化させますので水虫に使用するのはよくありません。ジュクジュクがひどい場合はステロイドを塗って炎症を鎮めることもありますが、医師の指示の下で使わないと悪化する恐れがありますので止めましょう。また、薬を塗っていれば菌の増殖は抑えられていますので、悪化することはほとんどありません。

薬を塗っているのに症状が悪くなった場合は原因が白癬菌ではないか、薬自体にかぶれて炎症が起きている可能性があります。薬を塗っているのに悪化したという場合はすぐに使用を中止し皮膚科を受診してください。

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