「ラゲブリオ」(一般名モルヌピラビル)9月16日から一般流通 米メルク製、軽・中等症対象

ラゲブリオは重症化リスクのある軽症、中等症の患者らが対象の治療薬。2021年12月、軽症者用の飲み薬として初めて特例承認された。これまでに43万人以上に投与された。従来は供給量が限られていたことから必要とする医療機関などに国が無償で配布してきた。一般流通の開始は、薬の生産体制が整い、安定供給できる見通しが立ったため、という。

 1カプセル(200ミリグラム)当たりの薬価は約2357円。18歳以上で4カプセルを1日2回、5日間服用するため、1日の薬価は約1万8862円となる。ただし、引き続き公費負担の対象で、患者の自己負担は生じない。同社によると、対象患者は22年度で約15万人、販売額は138億円と予測している。

新型コロナウイルス感染症の経口重症化防止薬「モルヌピラビル」(販売名:ラゲブリオカプセル200mg)について、9月16日から一般流通(メーカー → 卸 → 医療機関・薬局)が始まる。国供給(メーカー → 国 → 医療機関・薬局)は「9月15日15時までの申請分」をもって終了する

まず、【国供給品】については、「9月15日(木)15 時までに配分依頼がされた分」の配送をもって終了します。以降は【国供給品】の配分は行われないため、「必要量について9月15日の15時までに適切に配分依頼を行う」ことが求められます。

9月16日以降は【一般流通品】が市場に出回り、通常の医療用医薬品と同様に医療機関・薬局は「卸売販売業者を通じてラゲブリオを購入する」ことになります(いつから注文可能になるかはメーカー・卸に要相談)。この【一般流通品】を使用して治療を行った場合には「通常の保険診療と同じく、薬剤費を含めて保険請求を行う」ことになります(ただし患者負担は公費で補填される点に留意を)。

しばらくの間、医療機関等には【国供給品のラゲブリオ】と【一般流通品のラゲブリオ】とが併存することになります。その際、次の点に留意する必要があります。

9月16日以降に「院内・薬局内在庫となった【国購入品】」について、必要な患者に投与することが可能である
→【国購入品】の処方時に求めていた「適格性情報チェックリスト」、投与後に行っていた「ラゲブリオ登録センターを通じた使用実績登録」などの取り扱いは、別途、厚労省から連絡される
→【国購入品】の薬剤費については、いかなる場合であっても「患者に自己負担を求めること」「保険者へ診療報酬請求すること」はできない(国から無償提供されているため)
→【国購入品】と【一般流通品】については、製造ロット番号・GS-1コードにより管理されており、請求誤りがないように留意してほしい(番号は事務連絡に記載)

「同一患者に国購入品と一般流通品を混在させて使用する」ことは原則として避ける
→上述のように【国供給品】は、国から医療機関等に無償で提供されるため「薬剤費を請求することはできません」が、【一般流通品】は上記のように「保険請求する」ことになり、混乱が生じかねない

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