解熱・鎮痛・消炎のおくすりの話 その2

自宅のくすり箱の中に解熱薬や湿布薬が入っている人は多いでしょう。我慢できない痛みや急な発熱に備えて、一つ常備してあると安心ですよね。今回は身近な薬のひとつである解熱・消炎・鎮痛の薬についてお話します。

腰痛・肩凝り・関節痛

これらの痛みは加齢に伴って訴える人も増えてきますが、最近では30代、40代の人にも増えています。痛みの原因は様々ですが、特に多いのが筋肉の慢性的な疲労です。例えばパソコンを長時間使用する時に同じ姿勢を続けることで、背中や肩の筋肉がこわばり血流が悪くなり、発痛物質が蓄積されて痛みが引き起こされます。これらの痛みは炎症を伴っていますので、飲み薬としては前にお話した非ステロイド性抗炎症薬が適しています。また、関節痛は関節のクッション的役割を持つ関節軟骨が減ることで、関節の動きに伴って生じることも少なくありません。関節の軟骨には骨と骨の間のクッションの役目があります。この軟骨が加齢などによりすり減ると、骨と骨が直接こすれあうことになり痛みが出ます。このような場合にはコンドロイチンやグルコサミンを試してみてはいかがでしょうか?コンドロイチンやグルコサミンはもともと体内にあり、特に関節軟骨などに多く存在する物質です。関節の動きをなめらかにしたり、関節の痛みをやわらげる効果があると言われています。これらはすぐに効果があらわれるものではありませんので、続けることが必要です。ただし原料にカニやエビなどの甲殻類を使用していることがありますので、アレルギーのある方は注意してください。また、コンドロイチン、グルコサミンは、血液を固まりにくくする「ワーファリン」という薬と飲み合わせが良くありません。「ワーファリン」を飲んでいる人は医師、薬剤師に相談してください。

血行改善にビタミンE

ビタミンEには血行を良くする作用がありますので冷え性、肩こりに効果的です。ビタミンEは若返りのビタミンとも呼ばれ、抗酸化作用があり老化防止にも役立ちます。またホルモン分泌の調整作用もあるので女性の生理痛や更年期障害の症状緩和にも役立ちます。疲労回復にはビタミンB群も一緒に摂ると良いでしょう。

腰から足にかけてしびれなどを伴う場合や発熱などの全身症状を伴う場合、薬を服用しても痛みが良くならない場合には速やかに受診することをお勧めします。慢性的な関節痛は冷えると悪化する事が多いので、この様な場合は温めるのも効果的です!

貼り薬・塗り薬

腰、肩、膝などの痛みには飲み薬の他に貼り薬や塗り薬も効果的です。貼り薬や塗り薬は使用する部位だけで効果が出るので、飲み薬に比べて副作用が少ないのが特徴です。打ち身、捻挫等にも効果があります。

貼り薬には厚いパップ(いわゆる湿布薬)と薄いテープがあります。以前は「貼りごこちがひんやり」で痛みを抑える冷シップが主流でしたが、最近では鎮痛、消炎作用のある成分を含むタイプのものが主流に変わっています。さらに剤形によって特徴があります。パップは水分が多く肌にやさしい分、ややはがれやすいのが特徴です。テープは水分をほとんど含まないため患部を冷やす効果はありませんが、動いてもはがれにくい特徴があります。はがれにくい分、肌の弱い方などはかぶれやすくなることもあるので注意が必要です。目立ちにくい肌色タイプのものもあります。また、貼り薬にはニオイの強い物や弱い物もありますので、貼る場所や使い心地などで選ぶと良いでしょう。

冷感タイプと温感タイプの違い

冷感タイプは湿布薬に含まれる水分の気化にともなって冷却効果があります。またl-メントールには交感神経を抑制し、清涼感を与える効果があります。捻挫や打撲など、腫れがあって患部に熱がある時には冷やすことで炎症を抑え、痛みを鎮めるので冷感タイプをお勧めします。筋肉痛にもお勧めです。

温感タイプはトウガラシエキスやノニル酸ワニリルアミドなどの局所刺激成分が含まれ、血行を促進させて慢性的なこりや痛みを和らげます。腰痛や肩こりなど血行不良が原因の痛みには温感タイプをお勧めします。
温感タイプの湿布剤を入浴直前まで貼っておくと、入浴時に刺激を感じることがありますので、入浴の30分前までにはがしておくようにしましょう。冷感タイプに比べると刺激があり、かぶれることがありますので、肌の弱めの人は様子をみながら使って下さい。どちらとも言えない症状の場合 冷やすと『気持ちがいい』場合には冷感タイプ、お風呂に入ると『気持ちがいい』場合には温感タイプをお使いになると良いでしょう。長時間貼り薬を使うことで皮膚がかぶれることがあります。赤くなったり、痒みが出る場合には使用するのをやめて塗り薬に変えるなどしましょう。症状がひどい場合には受診してくださいね。

貼り薬には1日に1回タイプ、2回タイプなどがあります。しっかり効果を出すためにも、用法に沿って使用しましょう。またお風呂上りに使用するとより効果的です。汗をかいている場合はきれいに拭き取ってから貼ると貼りやすくなります。パップタイプのものは関節部分に貼るときにハサミを使って切り込みを入れるとはがれにくくなります。最近の湿布はよく伸びますから、両手で伸ばしながら貼り付けましょう。傷口や粘膜、湿疹があるところには使用しないでください。

塗り薬

塗り薬にはクリームやゲル、ローションといった様々な剤形があります。ローション・液体は手を汚さずに塗ることができるので便利です。また腫れや痛みの強い部分でも、軽く塗ることができます。塗った後のべたつきが少なく、冷却効果も期待できます。ゲルは組織浸透性に優れ、優れた消炎鎮痛効果があります。また伸びが良く、すぐに乾くのでサラッとした使用感があります。
クリームは伸びは良いのですが、ゲル、ローションに比べると少しべたつきます。その他にゲルを固形状にしたスティックタイプやスプレーなどもありますので、痛みの場所や使う状況に合わせて薬を選ぶと良いでしょう。 塗り薬のなかには、ジクロフェナクナトリウムやインドメタシン、フェルビナクなどの炎症を抑える成分だけでなく、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムなどの患部の血流を改善する成分を含む薬もあります。血流を良くすることで肩凝りなどにより効果的です。

腰から足にかけてしびれなどを伴う場合や発熱などの全身症状を伴う場合、薬を服用しても痛みが良くならない場合には速やかに受診することをお勧めします。慢性的な関節痛は冷えると悪化する事が多いので、この様な場合は温めるのも効果的です!

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