ビタミンC・ビタミンE

ビタミンのはなし 

ビタミンC

ビタミンCとは

ビタミンCは美容ビタミンとして有名な水溶性(水に溶けやすく脂に溶けにくい)のビタミンであり、野菜や果物に多く含まれます。 主な作用として抗酸化作用があげられ、他にもコラーゲンの生成を助けたり鉄分の吸収を高めたりと様々な働きをするビタミンです。体内では合成されないため、健康維持のために毎日継続して摂取することが必要です。

ビタミンCは熱・酸素・光に弱く、水に溶けやすい性質があります。生で食べるか、調理する際は煮汁ごと食べられる調理法を選ぶと効率よく摂ることができます。

厚生労働省が定める「健康日本21(第二次)」では、成人の野菜摂取の目標は1日350g以上とされ、そのうち緑黄色野菜は120g以上とすすめられています。しかし、食生活の多様化や偏食により、多くの方が目標量を満たせていません。

ビタミンCの主な働き 「抗酸化作用」

 私たちは、呼吸によって1日に500リットル以上の酸素を体内に取り入れています。その酸素を使って食事で摂った栄養素を燃やしエネルギーを作り出していますが、この過程で取り入れた酸素の約2%分が強い酸化作用を持つ活性酸素(フリーラジカル)というものに変わるといわれています。活性酸素には、その強い攻撃力で体内に侵入したウイルスや細菌を退治するという大切な役割がありますが、必要以上に増えてしまうと、健康な細胞まで酸化して(サビさせて)しまうため、老化の引き金になります。がんや動脈硬化、脳卒中など多くの生活習慣病は活性酸素が原因といわれています。

つまり、「活性酸素を抑える働き=抗酸化作用」が、アンチエイジングにも生活習慣病の予防にも不可欠となります。

私たちの体は活性酸素を抑えるための抗酸化酵素を持っていますが、加齢によりその量は少なくなり、体のサビは細胞レベルから少しずつ始まっていきます。昔に比べて何となく肌のツヤがなくなった、ちょっと走ると息が切れる、そんな小さな変化を感じたら細胞の酸化が進んで体内がサビつき始めた兆候かもしれません。ビタミンCは、自身が酸化されやすい性質を持ち、活性酸素によって細胞が酸化される前に自分が酸化されることで、細胞を守ってくれるのです。

ビタミンCが欠乏すると

現在の日本の食生活ではビタミンC欠乏症の心配は少ないですが、紫外線、大気汚染、飲酒、喫煙、ストレスの影響で活性酸素の発生が増大するといわれています。これらの影響をうけやすい現代人にとってビタミンCは意識して摂取したいビタミンです。 抗酸化作用以外の作用として、ビタミンCは体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというたんぱく質をつくるのに不可欠です。これにより皮ふや粘膜、血管の健康維持に役立ちます。また、シミなどの原因となるメラニンの色素沈着を抑える作用があります。更に病気などいろいろなストレスへの抵抗力を強めたり、鉄剤と一緒に摂ると鉄の吸収を良くして貧血の予防に役立ちます。

ビタミンCが完全に欠乏すると次のような症状が現れます。 

・歯肉や皮下、粘膜からの出血

・消化管・尿路からの出血

次にあてはまる場合、ビタミンCが不足している可能性が高いです。積極的な摂取が必要です。 

☐ 皮膚が乾燥しやすい

☐ 抜け毛が多い

☐ 脱力感や倦怠感がぬけきらない

☐ 風邪を引きやすい

☐ 傷が治りにくい

ビタミンC配合

鉄とビタミンC

女性に多い鉄欠乏性貧血では不足している鉄を十分に補うことが必要となります。しかし、鉄は非常に吸収率が悪く、1日の食事には、約20〜30mgの鉄分が含まれていますが、そのうち吸収されるのは約5〜10%、1mg程度にすぎません。

鉄は体の中に入った後、消化管内を移動している途中で酸化されてしまうと血液中に吸収されにくくなってしまうのですが、ビタミンCは鉄の酸化を防ぐ働きがあり、鉄と一緒にビタミンCを摂ると効率よく鉄を体に取り込むことができます。鉄を含む医薬品やサプリメントが販売されていますが、吸収率をアップさせるために、ビタミンCが配合されています。

サプリメントと薬の違い

お勧めしたい商品としてサプリメントと医薬品をあげましたが、そもそもサプリメントと薬の違いは何なのでしょうか。 薬は法令上で厳密に定められていて、使用することにより症状の緩和など治療効果が期待できるもの、サプリメントは あくまでも食品のひとつであり、医学的な効果や効能を表明することは許されておらず、健康の維持や増進を目的として使用するものです。とはいえ、多くのビタミンでは食品の場合でも特に含量の上限値は決められていないため、食品でも医薬品と同等量が含まれている場合もあります。

既に不快な症状があり治したい場合には医薬品を、予防や健康維持のために使用したい場合はサプリメントを選ぶと良いでしょう。

ビタミンC摂取時の注意

ビタミンCは水溶性ですので過剰に摂取すると吸収率が低下し、過剰分は吸収されずに尿中に排泄されます。そのため、一般的には有害な過剰症はないといわれています。ただし、過剰に摂取すると、一般的に吐き気、下痢、腹痛などの症状が現れますが、過剰分の排泄とともに改善されます。しかし、腎機能に問題がある人では腎結石のリスクが高まることから注意が必要です。適切なご利用方法を心がけてください。

また、ビタミンCはエストロゲン(女性ホルモンの一種)の作用を増強する作用があります。そのため、低用量ピルとビタミンCを合わせて摂ることにより、高用量ピルと同じくらいの強い作用があらわれる可能性がありますので、併用にはご注意ください。

ストレスとビタミンCのお話

ビタミンCは、ストレスの多い人ほどきちんととる必要があるといわれています。ここでのストレスとは、寒さ、暑さ、疲労、苦痛、心痛、睡眠不足、働き過ぎなど精神的・物理的ストレスの両方です。またたばこを吸う人も、より多くのビタミンCが使われるといわれています。

ビタミンCをに多く含む食品

レモン、ピーマン ビタミンCの多い食品は、果物(とくにかんきつ類やイチゴ)、野菜、いもなどです。ビタミンCは水に溶けやすく熱に弱いので、できるだけ新鮮な生で食べるのがよいことになります。ポイントは、洗いすぎたり、ゆですぎたり、水にさらしすぎたりしないことです。

どれくらいとったらいい

不足すると、寒さや細菌に対する抵抗力が下がってカゼなどの病気にかかりやすくなったり、骨の発育が不十分になったりします。ビタミンCの欠乏症で知られる壊血病(かいけつびょう)は、コラーゲンがつくれないために細胞の間の結合がゆるむことでおこります。血管や関節が弱くなることから、歯ぐきなど体の各所で出血したり、関節が痛んだりする病気です。

一方、ビタミンCは、過剰に摂取しても吸収率が低下し、残りは尿から出てしまうため、一般的には有害な過剰症はないといわれています。ただし、薬やサプリメントなどでは、吐き気、下痢、腹痛といった胃腸への影響が報告されていて、腎機能に問題がある人では腎結石のリスクが高まることから注意が必要です。適切なご利用方法をこころがけてください。

ビタミンE

ビタミンEとは

ビタミンEはビタミンCと違い、脂溶性(脂に溶けやすく水に溶けにくい)のビタミンで、別名トコフェロールと呼ばれ、体内では合成されないため食事などから摂取する必要があります。脂からできている細胞膜に存在しており、活性酸素の攻撃から細胞膜を守る働きや、動脈硬化を防ぐ働き、毛細血管の血行をよくする働きなどがあり、「若返りビタミン」などと呼ばれています。同じ抗酸化作用を持つビタミンCと合わせて摂取することにより、抗酸化作用がアップします。

ビタミンEの「抗酸化作用」

水溶性のビタミンCは主に血中で、脂溶性のビタミンEは細胞膜など体の脂の部分で活性酸素と戦っています。

抗酸化作用により、体内の脂質の酸化を防いで体を守る働きがあります。この働きから、体内の細胞膜の酸化による老化や、血液中のLDLコレステロールの酸化による動脈硬化など、生活習慣病や老化と関連する疾患を予防することが期待されています。

活性酸素を無害化したビタミンEは、抗酸化力を失ってしまいます。しかし、ビタミンCには、無力化してしまったビタミンEを元に戻す働きがあり、ビタミンCによって復活したビタミンEは、また新たな活性酸素を無害化できるようになります。お互いに分担しあって活性酸素と戦っているだけでなく、単体よりもビタミンCとEが同時に存在していた方がより効果的に働けるようになるのです。

また、血中のコレステロールが活性酸素により酸化して血管壁にくっついてしまうのが動脈硬化の原因ですが、ビタミンEはコレステロールが酸化されるのを防いで動脈硬化を予防する働きがあります。

そのほかにも、ビタミンEには、毛細血管の血行をよくする働きがあり、冷え性や肩こりなど血流が悪いことで起きてしまう症状を改善したり、肌の隅々まで血液が巡回し肌荒れを予防します。

ビタミンE摂取時の注意

ビタミンEが体内に入ると、キロミクロンというタンパク質のボールに吸収されて運ばれていきます。このときタンパク質不足だと、このボールがつくれずにせっかく摂ったビタミンEが無駄になってしまうおそれが出ます。 また、ビタミンEは脂に溶けるので、一緒に食べる脂質の量によって吸収率が違ってきます。ビタミンEを摂るときは、油やタンパク質もしっかり摂りましょう。

ビタミンEの欠乏症としては赤血球の細胞膜が壊れやすくなる溶血性貧血があります。しかし、現代の日本でビタミンEの欠乏症になってしまう危険性はほとんどありません。ビタミンEは脂溶性のビタミンなので過剰摂取してしまう可能性がありますが、脂溶性のビタミンの中では安全性が非常に高く、600mg/日程度まででしたら、摂りすぎによる過剰症の危険性はほとんどありません。

どんな食品に多く含まれていますか

アーモンド、かぼちゃ ビタミンEはアーモンドなどのナッツ類や、植物油に豊富に含まれています。その他には、うなぎ、たらこをはじめとした魚介類、西洋かぼちゃ、アボカドなどにも多く含まれています。

上手にとるコツ

ビタミンEは、ビタミンC、ビタミンAと一緒に「ビタミンACE(エース)」とも呼ばれ、抗酸化作用を持つ代表的な栄養成分です。ビタミンEとビタミンAは細胞膜に、ビタミンCは体液中に存在してそれぞれの持ち場で活性酸素による弊害から体を守っています。このため、緑黄色野菜を植物油で炒めるなどして、それぞれを豊富に含む食品をいっしょにとると効果的です。

どれくらいとったらよいですか

ビタミンEは不足すると細胞膜の脂質が酸化され損傷されることから、ごくまれに感覚障害や神経症状がみられることがあります。未熟児では赤血球がこわれておこる貧血が知られています。

一方、過剰症では出血傾向になるという害がみられるのでサプリメントや薬などからの過剰摂取には注意が必要です。日常の食生活ではとり過ぎになる心配はほとんどなく、積極的にとりたい栄養素のひとつです。

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